2026年プロ野球で逆転勝ちが多い球団は?全試合データから見る「逆転力」ランキング
「今年のこのチームは、負けていても最後まで分からない」
プロ野球を見ていると、そんな印象を持つ球団があります。
しかし、本当にそのチームは逆転勝ちが多いのでしょうか。印象に残る劇的な試合が数試合あっただけなのか、それとも実際にシーズンを通して何度もビハインドをひっくり返しているのか。
そこで戦評.comに登録されている2026年3月27日から9月26日までのプロ野球825試合を対象に、各イニングの得点推移から「逆転勝ち」を独自に集計しました。
結論から言うと、2026年に最も逆転勝ちが多いのは福岡ソフトバンクホークスの32試合です。
一方、勝利した試合のうち逆転勝ちが占める割合ではオリックス・バファローズが41.5% と12球団トップ。さらに終盤の逆転、大差からの逆転まで見ていくと、単純な勝利数だけでは分からない各球団の特徴が見えてきます。
この記事では、「逆転勝ちの回数」だけでなく、
- 勝利に占める逆転勝ちの割合
- 2点差以上からの逆転
- 最大何点差をひっくり返したか
- 7回以降まで負けていた試合からの逆転
- サヨナラで決めた逆転勝ち
なども含めて、2026年の「逆転力」をデータから見ていきます。
※データは2026年9月30日時点。戦評.comに収録済みの9月26日までの試合を集計しています。
今回の「逆転勝ち」の定義
まず重要なのが、「逆転勝ちを何と定義するか」です。
この記事では、
「いずれかのイニング終了時点で相手チームにリードされており、その後最終的に勝利した試合」
を逆転勝ちとしています。
たとえば、
- 3回終了時点で0-2
- 5回に3-2と逆転
- 最終的に5-3で勝利
なら逆転勝ちです。
一方、1回表に1点を取られたものの、その裏にすぐ2点を取って「1回終了時点では2-1」だった場合、今回の集計では逆転勝ちに含めません。
これは、単に試合中の一瞬だけリードを許したケースではなく、少なくとも1イニングを「追う立場」で終えた試合に絞るためです。
その意味では、一般的な「先制された試合からの逆転勝ち」よりもやや厳しめの条件になっています。
2026年の逆転勝ちランキング
2026年9月30日時点のランキングは以下の通りです。
| 順位 | 球団 | 勝利数 | 逆転勝ち | 勝利に占める割合 | 2点差以上 | 最大ビハインド |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ソフトバンク | 88 | 32 | 36.4% | 12 | 4点 |
| 2 | オリックス | 65 | 27 | 41.5% | 8 | 5点 |
| 2 | 日本ハム | 76 | 27 | 35.5% | 9 | 4点 |
| 4 | DeNA | 69 | 25 | 36.2% | 9 | 4点 |
| 5 | 巨人 | 74 | 24 | 32.4% | 6 | 3点 |
| 6 | 阪神 | 76 | 23 | 30.3% | 8 | 6点 |
| 7 | 西武 | 75 | 22 | 29.3% | 8 | 3点 |
| 8 | 広島 | 56 | 21 | 37.5% | 11 | 5点 |
| 9 | ロッテ | 59 | 20 | 33.9% | 12 | 4点 |
| 10 | ヤクルト | 59 | 19 | 32.2% | 10 | 5点 |
| 11 | 楽天 | 54 | 18 | 33.3% | 5 | 3点 |
| 12 | 中日 | 59 | 15 | 25.4% | 7 | 3点 |
まず目につくのは、ソフトバンクの32逆転勝ちです。
2位のオリックス、日本ハムに5試合差をつけています。
ただし、ここで注意したいのは、ソフトバンクはそもそも88勝しているということです。
勝利数が多ければ、それだけ逆転勝ちの絶対数も多くなる可能性があります。
そこで次に「勝った試合のうち、何%が逆転勝ちだったのか」を見てみましょう。
オリックスは勝利の41.5%が逆転勝ち
割合で見ると、最も特徴的なのはオリックスです。
65勝のうち27勝が逆転勝ち。
つまり、
勝利の41.5%が、一度はイニング終了時点で負けていた試合
でした。
単純計算では、オリックスが勝った試合のおよそ5試合に2試合が逆転勝ちということになります。
これはかなり高い数字です。
続くのは、
- 広島:37.5%
- ソフトバンク:36.4%
- DeNA:36.2%
- 日本ハム:35.5%
となっています。
逆に最も低かったのは中日の25.4%。
もちろん、逆転勝ちが少ないことだけをもって「粘りがない」と判断することはできません。
先制してそのまま逃げ切る試合が多ければ、強いチームであっても逆転勝ちの割合は低くなります。
そのため、このランキングは球団の強さそのものではなく、「勝ち方の特徴」 を表す数字として見るのがよいでしょう。
2026年は約3試合に1試合が逆転決着
12球団全体では、今回の条件に該当する勝敗がついた試合は810試合ありました。
そのうち逆転勝ちは、
273試合
でした。
割合にすると33.7% です。
つまり2026年のプロ野球では、勝敗がついた試合のおよそ3試合に1試合で、勝ったチームが一度はイニング終了時点でリードを許していたことになります。
野球では「先制点が重要」とよく言われます。
実際、リードしている側が試合を有利に進められるのは間違いありません。
しかし一方で、この数字を見る限り、
一度リードされたらほぼ終わり、というスポーツでもない
ことが分かります。
むしろ3試合に1試合程度は、途中まで負けていた側が最終的に勝っています。
野球を最後まで見る理由が数字にも表れていると言えるかもしれません。
「1点差をひっくり返す」のと「大差をひっくり返す」のは違う
逆転勝ちと一口に言っても、
0-1から2-1にする試合と、
0-5から6-5にする試合では、
そのインパクトは大きく異なります。
そこで、最大2点以上のビハインドを背負っていた試合に絞ってみます。
最多はソフトバンクとロッテの12試合。
広島も11試合、ヤクルトも10試合ありました。
特に面白いのが広島です。
逆転勝ちは21試合で12球団8位ですが、そのうち11試合が2点差以上からの逆転。
さらに3点差以上からの逆転も7試合あり、これは12球団で非常に目立つ数字です。
つまり広島の場合、
「僅差をひっくり返して勝つ」というより、
ある程度点差をつけられても試合を取り返したケースが多い
という特徴があります。
同じ「逆転勝ち21」という数字でも、その中身を見ると印象が変わります。
最大の逆転劇は阪神の「6点差」
2026年の収録試合で、イニング終了時点の最大ビハインドから最も大きな逆転をしたのは阪神でした。
その試合は5月20日の阪神対中日戦です。
中日は、
- 1回:1点
- 2回:3点
- 6回:2点
と得点。
6回終了時点でスコアは、
阪神 0-6 中日
でした。
6点差です。
野球ではまだ3イニング残っているとはいえ、終盤に入って0-6なら、かなり厳しい展開です。
ところが阪神は7回裏に4点。
一気に4-7まで追い上げます。
そして8回裏にさらに3点を奪い、
7-7の同点。
最後は9回裏にも1点を追加し、
8-7のサヨナラ勝ち
となりました。
6回終了時点で0-6だった試合が、最終的に8-7。
2026年を代表する逆転劇の一つと言ってよいでしょう。
興味深いのは、阪神の逆転勝ち総数そのものは23試合で6位だということです。
つまり阪神は「逆転勝ちの数」でトップではありません。
しかし、2026年最大の点差をひっくり返した球団という別の顔を持っています。
ランキングを見る時には、このように「回数」と「一試合のインパクト」を分けて考えると面白くなります。
オリックスは5点差逆転を2度記録
オリックスも大きな逆転が目立ちました。
最大ビハインドは5点。
しかも5点差からの逆転勝利を複数回記録しています。
たとえば8月26日の楽天戦。
楽天は1回に2点、2回に3点を奪い、オリックスは序盤で0-5とされました。
しかしオリックスは3回に3点を返し、5回にも1点。
4-5まで追い上げます。
それでも7回終了時点ではまだ4-5。
つまり終盤までリードを許した状態でした。
そして8回裏。
オリックスが一挙3点を奪い、7-5と逆転。
そのまま勝利しています。
序盤に5点差をつけられ、7回終了時点でも負けていた試合をひっくり返したわけです。
オリックスの逆転勝ち27試合という数字だけでも十分多いのですが、さらに掘り下げると、「かなり遅い時間帯まで負けていても勝った試合」が多いことが分かります。
7回以降まで負けていたのに勝った球団は?
次に、
7回以降のイニング終了時点でもまだリードを許していたのに、最終的に勝った試合
を集計しました。
特に多かったのは、
| 球団 | 7回以降まで負けていた逆転勝ち |
|---|---|
| オリックス | 9 |
| DeNA | 9 |
| ロッテ | 9 |
| ヤクルト | 9 |
| 阪神 | 7 |
| 中日 | 7 |
| 巨人 | 6 |
| 広島 | 6 |
| 西武 | 3 |
| 楽天 | 3 |
| 日本ハム | 2 |
| ソフトバンク | 1 |
ここではランキングの景色が大きく変わります。
逆転勝ち総数トップのソフトバンクは32試合も逆転勝ちしていますが、7回以降まで負けていた試合からの逆転はわずか1試合。
つまりソフトバンクの逆転は、比較的早い段階で試合をひっくり返すケースが多いことが分かります。
一方、オリックス、DeNA、ロッテ、ヤクルトは9試合。
「終盤まで負けていたのに、そこから勝った」という劇的な逆転はこちらの4球団が目立っています。
同じ逆転勝ちでも、
序盤で1点を先制されて3回に逆転する試合
と、
7回、8回まで負けたまま最後にひっくり返す試合
では、観戦している側が受ける印象はかなり違います。
「このチームは終盤まで分からない」と感じるかどうかには、この数字が関係しているのかもしれません。
サヨナラ逆転勝ちはオリックスとDeNAが7試合
さらに劇的なのが、逆転サヨナラ勝ちです。
今回の条件で集計したところ、
- オリックス:7試合
- DeNA:7試合
- 阪神:5試合
- 広島:5試合
- 西武:5試合
- ヤクルト:5試合
などとなっています。
特にオリックスとDeNAは、逆転勝ちが多いだけでなく、最後の攻撃で試合そのものを終わらせる逆転劇も多くなっています。
DeNAは逆転勝ち25試合のうち、7回以降まで負けていた試合からの逆転が9試合、逆転サヨナラが7試合。
こうして見ると、2026年のDeNAはかなり「終盤型」の逆転勝利が多い球団です。
ソフトバンクの32逆転勝ちは「強さ」の別の側面
最多32逆転勝ちのソフトバンクについても考えてみましょう。
ソフトバンクは88勝のうち32勝が逆転。
割合は36.4%です。
オリックスの41.5%ほど高くはありませんが、そもそもの勝利数が多いため、結果として逆転勝ちの絶対数も12球団最多となっています。
ここで興味深いのは、先ほど触れた通り「7回以降まで負けていた逆転勝ち」が1試合しかないことです。
つまり、
負けている展開を放置したまま終盤まで進み、土壇場でひっくり返す
というより、
ビハインドになっても比較的早い段階で試合を五分、あるいはリードの状態に戻す
という勝ち方が多かったことになります。
大逆転やサヨナラ勝ちだけを「逆転力」と考えると見落としやすいポイントです。
試合をひっくり返す能力には、
- 何度も逆転する
- 大差を逆転する
- 終盤に逆転する
- ビハインドを早めに解消する
という複数のタイプがあります。
2026年のソフトバンクは、その中でも「逆転の総量」が非常に多い球団と言えそうです。
逆転勝ちが多い=強い、とは限らない
ここまで逆転勝ちを見てきましたが、注意したい点もあります。
逆転勝ちが多いからといって、そのまま「強い球団ランキング」になるわけではありません。
理想的な試合運びだけを考えれば、
1回に先制し、 追加点を取り、 投手陣がそのまま抑えて勝つ。
このような試合では「逆転力」は一切必要ありません。
逆転するためには、まず一度負けている必要があります。
そのため、逆転勝ちの多さには、
リードを許す試合の多さ
という側面も含まれています。
逆に逆転勝ちが少ない球団でも、
「そもそも先制した試合を高確率で勝ち切っている」
のであれば、問題はありません。
したがって今回の数字は、
球団の総合的な強さではなく、2026年にどのような勝ち方をしていたのか
を見る指標として使うのが適切です。
それでも「逆転できるチーム」は面白い
数字だけで野球を見ると、勝利はすべて同じ「1勝」です。
10-0で勝っても1勝。
0-6から8-7で勝っても1勝。
しかし、ファンの記憶に残る試合は同じではありません。
終盤まで負けていた試合をひっくり返したり、大差を追いついたり、最後にサヨナラで決めたりした試合は、シーズンが終わっても記憶に残ります。
今回の集計では、勝敗がついた810試合のうち273試合、33.7%が逆転勝ちでした。
およそ3試合に1試合です。
プロ野球を見ていて、
「まだ終わっていない」
と感じるのは、単なるファン心理だけではありません。
実際に2026年の試合でも、かなりの割合で途中のリードは覆されています。
そして球団ごとに見ると、
- 逆転勝ち総数ならソフトバンク
- 勝利に占める逆転割合ならオリックス
- 最大の大逆転なら阪神の6点差
- 大きな点差からの逆転が目立つ広島
- 終盤逆転が多いオリックス、DeNA、ロッテ、ヤクルト
という、それぞれ異なる特徴がありました。
単純な順位表や勝敗だけでは見えてこない「試合の勝ち方」を追ってみると、2026年シーズンの景色も少し違って見えてきます。
まとめ
2026年9月30日時点のデータでは、逆転勝ちが最も多いのはソフトバンクの32試合でした。
2位はオリックスと日本ハムの27試合、4位はDeNAの25試合です。
一方で勝利数に対する割合では、オリックスが41.5% で12球団トップ。
さらに2026年最大の逆転は、5月20日の阪神対中日戦で記録された6点差からの逆転でした。
ただし、逆転勝ちの多さだけで球団の強さを評価することはできません。
先行逃げ切り型の球団もあれば、終盤に強い球団もあります。
だからこそ「何勝したか」だけでなく、
どのように勝ったのか
をデータで追うのが面白いところです。
戦評.comでは、各試合の最終スコアだけでなく、イニングごとの得点推移や個人成績なども記録しています。
今後も「先制したチームはどれくらい勝つのか」「1点差ゲームに強い球団はどこか」「7回終了時点のリードはどれくらい勝利につながるのか」など、試合データからプロ野球を分析していきます。
集計条件
- 対象:2026年のNPB一軍公式戦として戦評.comに収録されている試合
- 集計期間:2026年3月27日〜9月26日
- 収録済みスコア付き試合:825試合
- 引き分け:15試合
- 勝敗がついた試合:810試合
- 逆転勝ち:273試合
- 逆転勝ち率:33.7%
- 逆転の定義:イニング終了時点で一度以上リードを許し、その後最終的に勝利した試合
- オールスターゲームは集計対象外