ソフトバンクはなぜ強い?2026年パ・リーグ優勝をデータから徹底分析

2026年のパ・リーグを制した福岡ソフトバンクホークス。

シーズンを通して安定した強さを見せ、最終盤を待たずにリーグ優勝を決めました。

では、今年のソフトバンクはなぜこれほど強かったのでしょうか。

「選手層が厚い」「打線が強い」「投手陣が安定している」といったイメージはありますが、実際の試合データを詳しく見ると、単に一つの部分が突出していたわけではありません。

戦評.comに収録している2026年9月26日までの試合データを分析すると、ソフトバンクは、

  • 圧倒的な得失点差
  • 12球団トップクラスの打撃力
  • 上位レベルの投手力
  • 逆転できる攻撃力
  • 終盤までリードした試合を高確率で勝ち切る力
  • 本拠地での圧倒的な強さ
  • 一人のスターだけに依存しない打線

という複数の強みを同時に持っていました。

特に象徴的なのが得失点差+244という数字です。

2026年のソフトバンクが強かった理由を一言で表すなら、

「打線だけでも投手だけでもなく、相手より点を取って、点を与えず、負けていてもひっくり返せる総合力が他球団より一段上だった」

というシーズンだったと言えそうです。

この記事では、「ソフトバンク 強い なぜ?」という疑問を、実際の試合データから詳しく見ていきます。

※戦評.comの集計データは2026年9月26日まで。以降の公式成績とは試合数・勝敗などが若干異なる場合があります。

まず圧倒的なのが「得失点差+244」

ソフトバンクが他球団と大きく違うポイントの一つが得失点差です。

9月26日までの戦評.com収録データでは、

  • 681得点
  • 437失点
  • 得失点差 +244

でした。

パ・リーグの他球団と比較すると以下のようになります。

球団得点失点得失点差
ソフトバンク681437+244
日本ハム579519+60
西武486456+30
ロッテ467551-84
楽天448532-84
オリックス477585-108

数字を見ると、その差はかなり極端です。

2番目に得失点差が大きい日本ハムでも+60。

ソフトバンクは+244なので、日本ハムよりさらに184点も大きなプラスです。

野球では1点差でも10点差でも勝ちは同じ1勝ですが、シーズン全体で得失点差が大きくプラスになるということは、それだけ多くの試合で相手を上回る内容を残していたことを意味します。

接戦だけを偶然拾い続けて首位になったというより、

シーズンを通して相手より明確に多く点を取り、少なく抑えていた

というのが2026年のソフトバンクです。

681得点は12球団でも突出

ソフトバンクの強さを支えた最大の要素の一つが打線です。

9月26日までに記録した得点は681。

同じパ・リーグでは、

  • 日本ハム:579
  • 西武:486
  • オリックス:477
  • ロッテ:467
  • 楽天:448

でした。

2位日本ハムに対しても100点以上の差があります。

つまり、ソフトバンクは単に「よく打つ」だけではなく、

リーグ内で得点能力そのものが明確に抜けていた

ことになります。

チーム打率.260、153本塁打、650打点

打撃成績をさらに見ると、その理由が分かります。

ソフトバンクは9月26日までに、

  • 4672打数
  • 1217安打
  • チーム打率 .260
  • 153本塁打
  • 650打点
  • 499四球
  • 73盗塁

を記録しています。

特に打率.260は12球団でもトップクラス。

日本ハムは.249、西武は.245、オリックスは.243でした。

本塁打だけなら日本ハムの175本がソフトバンクを上回っています。

ここが非常に興味深いところです。

2026年のソフトバンクは、

ホームランだけで勝ったチームではありません。

本塁打数では日本ハムの方が多いにもかかわらず、総得点ではソフトバンクが100点以上上回っています。

つまり、

  • 安打
  • 四球
  • 長打
  • 走者を返す打撃
  • 得点機での攻撃

などを組み合わせて点を取っていたことになります。

「一発頼みではない打線」が、ソフトバンクの大きな強みでした。

栗原陵矢が39本塁打・116打点

中心打者として特に大きな数字を残したのが栗原 陵矢です。

9月26日までの戦評.com集計では、

  • 517打数139安打
  • 打率.269
  • 39本塁打
  • 116打点
  • 75四球

を記録しています。

本塁打だけでなく116打点。

走者を返す役割を非常に高い水準で果たしました。

以前、戦評.comで「4番打者は本当に打点を稼いでいるのか?」を調べた際も、栗原は4番として103試合で91打点を記録。

4番としての1試合あたり打点は0.88でした。

2026年のソフトバンク打線を語るうえで、中心にいた選手の一人です。

近藤健介は打率.304+97四球

しかし、ソフトバンク打線が強かった理由は栗原だけではありません。

近藤 健介は、

  • 打率 .304
  • 29本塁打
  • 102打点
  • 97四球

を記録しています。

特に注目したいのが97四球です。

安打だけでなく、四球でも非常に多く出塁しています。

打線にこうした打者がいると、後ろを打つ選手に走者を置いた状態で打席が回りやすくなります。

栗原の116打点のような数字も、前後の打者がしっかり出塁することで生まれやすくなります。

つまりソフトバンク打線の強さは、

「打つ人」だけではなく「塁に出る人」もいること

です。

柳田悠岐、正木智也、牧原大成もいる

さらに、

柳田 悠岐は打率.301、18本塁打、67打点。

正木 智也は打率.283、28本塁打。

牧原 大成も打率.299。

周東 佑京は打率.277に加えて28盗塁。

となっています。

つまり相手投手からすると、

「栗原を抑えれば終わり」

「近藤だけ警戒すればいい」

という打線ではありません。

複数の打者が、

  • 高打率
  • 長打
  • 出塁
  • 走塁

の違う役割を持っています。

この攻撃パターンの多さは、2026年のソフトバンクの大きな特徴です。

投手陣もチーム防御率2.91相当

681得点という数字だけを見ると、打撃型のチームに見えます。

しかし投手陣もかなり優秀です。

戦評.comの投球データから自責点と投球回を集計すると、チーム防御率は2.91相当。

12球団でも上位です。

比較すると、

球団チーム防御率相当
巨人2.83
阪神2.85
ソフトバンク2.91
西武3.00
日本ハム3.49
楽天3.73
オリックス3.94
ロッテ4.01

パ・リーグだけならトップクラス。

つまりソフトバンクは、

リーグ最多クラスの得点力を持ちながら、同時にリーグ最上位クラスの投手力も持っていた

ことになります。

これが得失点差+244につながっています。

先発だけでなくブルペンも強い

投手個人を見ると、長いイニングを投げた先発陣に安定した数字があります。

例えば、

前田 悠伍は約101回を投げて防御率2.05相当。

上沢 直之は約123回1/3で2.55相当。

大津 亮介は約134回1/3で2.68相当。

松本 晴も約117回1/3で2.76相当です。

さらに救援陣では、

ヘルナンデスが44登板で防御率1.51相当。

津森 宥紀は50登板で1.53相当。

松本 裕樹も57登板で2.06相当。

終盤を任せられる投手が複数いることが分かります。

1人の絶対的な投手だけに依存せず、

先発で試合を作り、複数のリリーフで守る

という形を作れていたことも大きいでしょう。

逆転勝ちは12球団最多の32試合

強いチームは、先制した試合をそのまま勝つだけではありません。

2026年の逆転勝ちを戦評.comで集計すると、ソフトバンクは32試合。

12球団最多でした。

球団逆転勝ち
ソフトバンク32
オリックス27
日本ハム27
DeNA25
巨人24
阪神23

88勝のうち32勝が逆転勝ち。

割合では36.4% です。

つまりソフトバンクは、

負けている展開からでも1シーズンで30試合以上ひっくり返した

ことになります。

優勝するチームにとって、これは非常に大きな要素です。

野球では当然、すべての試合で先制できるわけではありません。

先発投手が序盤に失点する日もあります。

相手の好投手に抑えられる日もあります。

そうした試合を全部落としていれば、89勝近い数字には届きません。

ソフトバンクは、

「今日は先に点を取られたから負け」というチームではなかった

ということです。

ただし「終盤の大逆転」が多かったわけではない

ここは非常に面白いポイントです。

ソフトバンクは逆転勝ち32試合で最多でした。

しかし、7回以降までリードを許した状態から逆転した試合は、戦評.comの集計では非常に少なくなっています。

つまり、

土壇場で奇跡的にひっくり返すチームというより、ビハインドになっても早い段階で試合を戻すことが多かった

ということです。

これは「逆転力」の中でもかなり重要な違いです。

0-2になっても3回や4回で追いつく。

1点を先制されても中盤には逆転する。

こうした展開なら、終盤は自分たちの勝ちパターンに持ち込めます。

ソフトバンクの強さは、劇的なサヨナラばかりではなく、

試合が完全に相手ペースになる前に取り返す能力

にもあったと考えられます。

7回終了時点でリードすると勝率91.9%

以前、戦評.comで「7回終了時点でリードすると何%勝つ?」というデータも集計しました。

ソフトバンクは7回終了時点でリードしていた試合が86試合。

そのうち、

79勝7敗

でした。

勝率は91.9%。

つまりソフトバンク相手に7回までにリードを許すと、およそ10試合に9試合以上はそのまま負けています。

逆転勝ちが多い一方で、

一度終盤まで自分たちがリードすれば、ほとんど逃げ切る。

この両方を持っていることが重要です。

  • 負けていても戻せる
  • 勝っていれば終盤は守り切れる

この二つを組み合わせると、当然ながら勝率は高くなります。

本拠地では45勝22敗

球場別に見ると、本拠地での強さも目立ちます。

みずほPayPayドームでの戦評.com収録データは、

  • 67試合
  • 45勝22敗
  • 355得点
  • 206失点
  • 得失点差 +149

でした。

勝率は約.672。

得点は1試合平均約5.3点。

失点は約3.1点です。

平均観客数も約3万9700人。

本拠地でこれだけ大きく勝ち越せれば、シーズンを非常に有利に進められます。

ただし「ホームだけ強かった」わけではない

さらに重要なのがビジター成績です。

ホーム扱いの試合全体では、

48勝23敗

。

一方ビジターでも、

40勝24敗3分

でした。

つまりホームの恩恵だけで勝ったチームではありません。

遠征先でもしっかり勝ち越しています。

本拠地では圧倒的。

ビジターでも強い。

これでは他球団がゲーム差を縮めるのはかなり難しくなります。

日本ハム戦で大きく勝ち越したことも重要

NPB公式の9月29日時点の対戦成績を見ると、ソフトバンクは日本ハム戦で18勝5敗2分と大きく勝ち越しています。

日本ハムは同時点で77勝62敗3分、勝率.554。

つまり決して弱いチームではありません。

その上位チームとの直接対決で大きく勝ち越したことが、ゲーム差を広げるうえで非常に大きな意味を持ちました。

順位争いでは、下位チームから勝つだけではなく、

競争相手本人から勝ち星を奪う

ことが重要です。

1試合の直接対決で勝てば、自分に1勝が増える一方、相手には1敗が増えます。

2026年のソフトバンクは、こうした上位争いの直接対決でも優位に立ちました。

守備面でもエラーは比較的少ない

9月26日までのソフトバンクのエラーは52。

パ・リーグでは、

  • ソフトバンク:52
  • 楽天:55
  • ロッテ:56
  • オリックス:59
  • 西武:62
  • 日本ハム:87

でした。

守備の評価はエラー数だけではできません。

守備範囲や難しい打球をアウトにしたかどうかなども考える必要があります。

それでも、少なくとも記録上のミスがリーグ内で少ないことは分かります。

強力な打線と投手陣があっても、守備で余計な走者を出し続ければ勝率は下がります。

ソフトバンクの場合は、

攻撃・投球だけでなく、大きな弱点が少なかった

ことも重要です。

日本ハムは本塁打で上回っているのに、なぜ届かなかった?

2026年のデータで面白い比較相手が日本ハムです。

日本ハムは175本塁打。

ソフトバンクの153本を上回っています。

それでも総得点は、

  • ソフトバンク:681
  • 日本ハム:579

と100点以上違います。

さらに失点は、

  • ソフトバンク:437
  • 日本ハム:519

です。

つまり本塁打数という一点だけなら日本ハムが勝っています。

しかし、

得点を作る総合力と失点を防ぐ能力を合わせるとソフトバンクが大きく上回る

結果になっています。

野球はホームラン競争ではありません。

安打、四球、走塁、長打、投手、守備。

すべてを組み合わせて最終的な1点差を作るゲームです。

2026年のソフトバンクは、それを非常に高いレベルで実現していました。

「突出した一人」より「どこからでも点を取れる打線」

強いチームにはスター選手がいます。

ソフトバンクにももちろん、

  • 栗原陵矢
  • 近藤健介
  • 柳田悠岐
  • 周東佑京

など注目度の高い選手がいます。

しかし2026年の数字を見ると、

誰か一人だけで勝ったシーズンではない

ことが分かります。

栗原が長打と打点を稼ぎ、

近藤が高打率と四球で出塁し、

柳田も3割を超え、

正木が28本塁打、

牧原が約3割、

周東が28盗塁。

タイプの違う打者が並んでいます。

一人が不調でも、別の形で点を取れる。

この打線の厚さが、長いシーズンでは非常に大きな武器になります。

「先制できなくても勝てる」ことが優勝チームの強さ

シーズンには必ず悪い試合があります。

先発が打たれる。

守備でミスが出る。

先制される。

相手投手が良い。

143試合近いシーズンで、毎日完璧に戦うことは不可能です。

重要なのは、

悪い展開になった試合をどれだけ勝ちに変えられるか

です。

ソフトバンクは逆転勝ち32。

これは「調子の良い日に圧勝する」だけでは作れない数字です。

0-1、0-2になっても戻す。

追いつけば強いブルペンに持ち込める。

リードを奪えば終盤は高確率で守れる。

この構造があるからこそ、勝利数を積み上げることができます。

2026年ソフトバンクが強かった理由をまとめると

データから見えるポイントを整理すると、2026年のソフトバンクが強かった理由は次のようになります。

1. 得点力がリーグで突出していた

681得点。

パ・リーグ2位の日本ハムを100点以上上回っています。

2. 投手陣も上位クラスだった

チーム防御率は2.91相当。

打撃特化チームではなく、失点もしっかり抑えています。

3. 得失点差+244

得点と失点を組み合わせると、他球団とは圧倒的な差になります。

4. 強打者が一人ではない

栗原39本116打点、近藤.304・29本102打点、柳田.301、正木28本など、複数の打者が攻撃を支えました。

5. 逆転勝ちが多い

32逆転勝ちは12球団最多。

先制されても試合を取り返せます。

6. 終盤の逃げ切りも強い

7回終了時リードなら勝率91.9%。

一度終盤までリードすれば、ほとんど勝ち切っています。

7. 本拠地で圧倒的に強い

みずほPayPayドームで45勝22敗。

得失点差も+149でした。

8. ビジターでも勝ち越す

ビジター40勝24敗3分。

場所を選ばず勝っています。

ソフトバンクはなぜ強い?答えは「総合力」

「ソフトバンクはなぜ強いのか?」

2026年のデータから一つだけ理由を選ぶのは難しいです。

それこそが答えなのかもしれません。

打線だけなら、ソフトバンクより本塁打を打っている球団があります。

投手だけなら、ソフトバンクより低い防御率を記録している球団もあります。

しかし、

打撃力、出塁、長打、投手力、救援陣、守備、逆転力、逃げ切り、本拠地成績。

これらを全部合わせた時に、ソフトバンクが非常に高い水準にいます。

その結果として表れたのが、

88勝47敗3分、681得点437失点、得失点差+244

という9月26日時点の数字です。

2026年のソフトバンクは、

「何か一つが圧倒的だから強かった」

というより、

相手に勝つための方法をいくつも持っていたから強かった

と考えるのが最もデータに近そうです。

打って勝つ日もある。

投手戦を勝つ日もある。

先制して逃げ切る日もある。

先制されても逆転する日もある。

この「勝ち方の多さ」が、長いペナントレースで最も大きな武器になったのではないでしょうか。


集計条件

  • 対象:戦評.comに収録された2026年NPB一軍公式戦
  • 集計期間:2026年3月27日〜9月26日
  • ソフトバンク:138試合
  • 成績:88勝47敗3分
  • 得点:681
  • 失点:437
  • 得失点差:+244
  • チーム打率:.260
  • 本塁打:153本
  • 打点:650
  • チーム防御率:2.91相当
  • 逆転勝ち:32試合
  • 7回終了時リード時勝率:91.9%
  • みずほPayPayドーム:45勝22敗
  • オールスターゲームは集計対象外

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